プロテインやEAA以外の確実に効果があるとわかっているものを紹介するよ!
筋肥大に効果が分かってきている成分
エビデンスレベルA | HMB(初心者) クレアチン 必須アミノ酸(EAA) |
エビデンスとは科学的根拠のことです。
様々な報告を分析して、本当に成分と効果が認められたものだけがエビデンスレベルAになります。
参考までに
【エビデンスレベルA】
明らかに安全で、効果のある強力なエビデンスを示すもの
【エビデンスレベルB】
限定された効果のあるエビデンスを示すもの
【エビデンスレベルC】
効果や安全性を裏付けるエビデンスがほとんどないもの
エビデンスレベルAの成分
HMB
筋トレの効果は良質なタンパク質を摂取することで、高まりますが特に重視されているのがロイシンという成分の量である。
必須アミノ酸であるロイシンは運動に効果的とされるBCAAの中の成分ひとつです。
ロイシンは筋肉で代謝されるとHMBに変化します。
HMBは筋たんぱく質の合成を促す酵素のような成分を活性化し、同時に筋たんぱく質の分解も抑制します。
そのため、HMBだけを効果的に摂取できるサプリメントが人気を集めるようになったという背景があります。
2003年に行われたアイオワ州立大学のメタアナリシスでは、2001年までのサプリメントとトレーニング効果に対する複数の研究を解析し、最も筋肥大と筋力増強の効果を集めるサプリメントはクレアチンとHMBであると結論づけでいます。
ところが、2009年になりHMBはトレーニング未経験者には効果的だが、トレーニング経験者に対してはわずかな効果しか期待できないとするメタアナリシスが報告されています。
ニュージーランドのマッセー大学の2007年までに報告されたトレーニング効果とHMBに関する9つの研究をもとに、トレーニング経験者、未経験者に対する効果を分析した。
トレーニング経験の有無に関係なくHMB摂取による筋肥大の効果はわずかな増加にとどまり、かつ筋力増強効果は未経験者のみに認められ。経験者では認められなかった。
また2018年に報告されたメタアナリシスでは2017年までに報告されたトレーニング効果とHMBに関する複数の研究を分析したもので、トレーニング経験者193名を分析した。
6つのランダム化試験を通じて解析したところHMBを摂取しても、ベンチプレスやレッグプレスの1RM、筋肉の増量には有意な効果が認められなかった。
このエビデンスを受けて、現在はHMBはトレーニング未経験者や初心者のトレーニング効果を高める一方、トレーニング経験者、スポーツ選手への効果は期待できないという認識が定着されている
HMBの効果的な摂取量は1日に体重1kgあたり38mgとされており、一般的には1回3gを目安に数回に分けて摂取することが推奨されている
またHMBの摂取効果を最大化するためには、2週間以上の継続的な摂取が推奨されています。
安全性については、推奨量の2倍である量を1か月摂取した場合でも、コレステロール、ヘモグロビン、白血球、血糖、肝臓、または腎臓機能に影響はなかったことが報告されている。
これらの報告に対して、国際スポーツ栄養学会はトレーニング初心者に限り明らかに安全で効果のある強力なエビデンスを示すものとしてエビデンスAに分類しています。
クレアチン
筋肉を収縮させるには、筋繊維に含まれているATP(アデノシン三リン酸)を分解しエネルギーを作る必要があります。
そのため、筋トレ時には絶えず体内でATPを分解し、エネルギーを作る必要があるのですが、筋繊維はATPを少量しか蓄積できないため、何らかの手段のATPを補充しようとします。
その方法が
①クレアチリン酸系
②解糖系
③有酸素系
これらの方法は、運動の強度やエネルギーが必要な時間量によって使い分けられています。
特に筋トレの時に使われるのは、クレアチンリン酸系と解糖系という方法です。
クレアチンリン酸系は、筋繊維に含まれているるクレアチンリン酸を分解することでATPを作り出します。
ですが、筋繊維に含まれるクレアチンリン酸もATPと同じように蓄積量が少なく7~8秒で使い切ってしまいます。
クレアチンのサプリメントは、アルギニン、グリシン、メチオニンという成分から作られるもので、普段はクレアチンリン酸に姿を変えて、筋繊維に存在してます。
筋繊維が収縮すると、クレアチンが体内で合成されるが、すぐに消費されてしまいます。
サプリメントでクレアチンを補充すれば、体内のクレアチンリン酸の量が増え、ATPを作り出す能力が高まり筋トレのパフォーマンスが向上することが分かっています。
フランスのクレルモン、フェラン大学の報告では、筋トレとクレアチン摂取に関するメタアナリシスを報告しています。
この報告の中で、クレアチンが筋トレの効果や、パフォーマンスにポジティブな影響を与えることを示し、クレアチンがトレーニング効果、パフォーマンスを向上させると結論づけています。
アメリカ、テキサスA&M大学のレビューでも、クレアチンに関する1000の報告を分析した結果、副作用に関する報告はなく、安全性は全く問題ないと結論づけている
クレアチンの効率的な摂取方法としては、最初の5日~7日は1日に体重1kg×0.3その後は維持のために1日3~5gを推奨しています。
これらの報告に対し、国際スポーツ栄養学会は明らかに安全で効果のある強力なエビデンスを示すものとしランクAにしています。